おたる水族館(祝津3)は、日本で初めて、ギスカジカの繁殖に成功した。
今年2月28日、同館スタッフが、展示水槽「オホーツクベーリング海」内で、ギスカジカの卵約2万粒を発見して採取した。これが、4月5日に孵化し始め、このうち32個体が今日までに、体長4~6cmまで成長し、カジカ独特の容貌を見せている。
ギスカジカの卵は、これまで、水槽内で他の魚に食べられてしまい、採取することが出来なかったという。今回、運良く採取出来たことで、約1ヶ月後に卵の中に眼が見え始め、4月5日に孵化した。
この後、「カジカの餌となるプランクトンが食べるプランクトンを、水槽内に入れて水を濁らせて、カジカの稚魚のストレスを軽減し、餌の栄養を一番良くしたことで繁殖に成功した」としている。
この種の繁殖、同館が国内で初めてで、10月には、動物保護を行う社団法人日本動物園水族館協会から繁殖賞を受けることになった。
ギスカジカは、東北地方以北、日本海北部やベーリング海西部などに生息する。頭や口が大きく、体長40cm前後に成長する。小樽では、カレイとともに良く釣れ、そのゴツイ姿に似合わぬ美味しい魚として知られ、汁物や鍋で賞味されている。(写真提供:おたる水族館)
◎ギスカジカ WEB魚図鑑