市立病院調査特別委 医師会の提言で論議


 小樽市議会第2回定例会の市立病院調査特別委員会が、6月17日(木)13:00から市役所別館で開かれた。
 この日、小樽市医師会(津田哲哉会長)は、「新市立病院計画案に対する小樽市医師会提言」を、小樽市、市病院局、市議会、報道機関に配布した。
 「小樽市と医師会は、小樽市内の今後の医療のあり方について全体的な視野から実質的な協議・検討を継続的に行うべき」と意見交換の場を求めた上で、「医療体制を保証するプラスの面だけでなく、今後生ずる可能性のある財政的な負担についても小樽市は市民に十分な説明をすべき」。「計画はあまりにも拙速で危うい」。「市立病院のあり方をまさに今、再検討するべき」。「市民の納得の行く計画に練り上げ、市民に期待される病院として再建できるようさらに検討をつづけるべき」と指摘した。 こちら
 特別委では、各会派の議員から、この提言に関わる質疑が行われた。新谷とし議員(共産)は、「医師会から提言が提出されたが、市としてどのように考えているか。この提言では具体的な中身が分からない。何が問題になっているのか。医師会から具体的な提案が出た場合、変える気はないのか」と質問。
 並木昭義局長は、「医師会には、これまでの市に対する不信感、不満が根元にあった。6月9日に話し合いをやろうと言ったが、医師会が30分しか時間がとれないということでそこで概要を説明し、14日に臨時理事会を開いてもらった。和やかな雰囲気で別れたあとに、記者会見の記事があんな風に出たので、これはちょっと、説明しなければと思って、実は昨日も話し合いをやりました。
 医師会は、提言を出すことは、市民や医師会会員に対する努めであると話をしていた。私は、市民の代表である皆様に年に4回、このほかに個別でも話しており、十分話してきていると言った。私たちは、現在の状況を見て388床の数字を出した。医師会には、これが問題なら理由を出してくれと言った。今のところまだ出せないということだが、早くこの基本設計費の予算が通らないと計画が遅れていく。これ以上病院計画が遅れることは、小樽の医療にとって良くない。
 これでずっとやっていくのかと言われたが、少なくとも、基本設計を作るには規模が分からないと出来ない。今445床ですが、色々ヒアリングして、コンパクトな病院が基幹病院としてやるなら、少なくとも一般で300床は欲しい。精神の救急はここしかやっていないし、大学の一番勉強するところで80床まで得ながらやる。なおかつ、医師会のオープン病床を30床設けているので、小樽病院の一般病床は270床しかない。これから診療内容、役割分担をずっと話し合っていく。それだけは約束する。388床に固執しているわけではない。今はしないと設計会社が基本設計が作れない」と答弁した。
 濱本進議員(自民)は、「病院会計と一般会計は分断されているが、基本的には一緒でトータルで考えなければいけないと思う。病院会計が医業収益だけで80 億。一般会計は560億ぐらいある。トータルで640億で、この中で、150億の設備投資を新規にした時に本当に財政が破綻するのか。これで破綻するようでは最初からだめ。破綻なんかしっこない。640万円の年収のある家計が、たった150万円の車を買います。それで家計が破綻しますか。一般家庭であれば、640万の年収のあるところが家を建てると2,000万、年収の3倍の借金を30年で返すことになり、似たような話。償還の部分は、そんなに心配することないと思う」と述べた。
 高橋克幸議員(公明)は、「医師会の提言は、中身がなく、良く分からない。ぜひ、局長も話し合いをオープンにしたいとおっしゃっているので、議会が傍聴出来る場にして欲しい」と要望。
 並木局長は、「オープンにすることは、津田会長と確認した。議員、マスコミにもオープンにしたい」とした。
 斎藤博行議員(民主市民連合)は、「医師会から提言が出されたが、各位という形で出されている。並木局長と市長のところに届いているのか。6月14日に話し合いが持たれて、今は388床にするが、今後、医師会と話し合って相談していこうと終わった。話し合いのテーブルが出てきて、要求、要望にせよ、ルートが出来たと理解するのが当たり前だが」と質問。
 山田勝麿市長は、「私のところには、秘書課長が来て医師会の事務局長が置いていったと聞いた。各位で」。
 並木局長は、「封筒に名前はあったが、各位と書いてあった。医師会は、黙って案を通すのではなく、今まで色々経緯があるので、我々もこう考えていたと提言を出したいというから、いいでしょうと話をした。小樽の中で、医療の問題で揉めてると、北海道や総務省もあまり良い顔しないから、ちょっと内容など考慮してくださいと言ったら、少し内容が変わった。提言を出さないと、会員とかにも示しがつかなかったのだろう」とした。
 同特別委では、2009(平成21)年9月24日に提出された「小樽市病院局・並木昭義局長『新病院の展望と建設についての見解』に沿った市立病院の統合新築方について」の陳情が、これまでの継続審査から一転、自民・公明・民主市民・平成の4会派によって採択された。
 秋元智憲議員は、「建設地を巡り、様々な議論があったが、市長から量徳小敷地と現在地での建設の方針が示され、今定例会で提案された基本設計委託業務料に賛成するので、陳情を採択する」と述べた。
 継続審査を主張した中島麗子議員(共産)は、「学校適正配置では、量徳小の地域の方々が了解されていないので、学校関係者やPTAの話し合いの推移を待つ」とした。
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