住民が監査請求 新市立病院の実施設計差し止め


 「市政を市民の手で監視しよう」と市民有志6人が3月に結成した「小樽市民行政ウオッチの会」(松浦光紀代表)は、3月23日(水)午後、市役所監査委員会事務局に、新市立病院の実施設計差し止めを求める住民が監査請求書を提出した。
 同書によると、小樽市の山田勝麿市長が進める新病院建設計画で、実施設計予算を計上し、業務を無理やり計画を進めようとする行動は、地方財政法4条に違反し、実施設計の差止めを求めるとの監査請求を行った。詳しくはこちら
 この中で、山田市長が進める病院について、「平成21年1月に策定された市立病院改革プランの遂行状況は、甚だしく計画と乖離し、平成22年度には一般会計から、既に24億円の繰出が行われております。山田勝麿市長は、病院医業収益の悪化から、今回さらに3億円の追加繰出を図りました。医療収益が80億円に届かない病院会計に、合計27億円もの繰出を行おうとしております。資金不足比率 20.6%が予測され、地方債の許可される同意基準に程遠い病院会計であります。また、公立病院改革ガイドラインにある再編・ネットワーク化の問題に対し、公的病院や他の医療機関との調整も整っていません。医療職給与制度の導入も出来ておりません。夜間救急体制も大きな問題を抱えたままの状態です。このような状況のもとで実施設計予算を計上し、無理やり計画を進めようとする行動は、地方財政法4条「地方公共団体の経費は、その目的を達成する為必要且つ最小の限度をこえて、これを支出してはならない」と規定している義務違反です。不要不急の財務会計上の行為を行い、無駄に予算を消費することは違法なことであります。そこで、小樽市新病院建設に係る実施設計は、差止をおこなって頂きたく、ここに監査請求を致します」としている。
 松浦氏は、「市の新病院は、市民のためにあるものなのに、建てられた新病院が、過去12年間で182億円もの公金を投入した現市立病院の二の舞になる危険があります。計画は残念ながら、大変ずさんなものであり、整合性のないものだと論じざるを得ません。このようなことから、市民の自らの手で、行政ウォッチしていかなければ小樽は一向に良くなることはないと思って、今回の監査請求を行ったものです。市民の皆さんのご理解をお願いします」と話している。
 小 樽 市 職 員 措 置 請 求 書
 小樽市職員措置請求書 別紙事実証明書