富岡の女性殺害事件が急転 逮捕女性を釈放へ


 今年7月に起きた市内富岡のマンション殺人事件で、札幌地検は、7日(金)、殺人事件で逮捕していた市内の不動産会社社長・廣岡久子容疑者(62)を、処分保留で釈放する模様。
 事件は、小樽警察署の裏手の静かな住宅地の富岡1丁目に建つマンションの一室に住む木本澄子さん(81)が、2011年7月1日から2日にかけ、何者かに殺害された。
 普段は静かな小樽の街で起きた殺人事件だけに、小樽警察署の捜査本部では、大量の捜査員を投入して、関係者の事情聴取を行い、犯人逮捕による事件の解決を急いでいた。事件から2ヶ月半が経過した9月16日になり、容疑者の自宅(松ヶ枝町)や会社(花園)を家宅捜索し、17日になって、容疑が固まったとして逮捕状を取り、身柄を拘束した。
 しかし、その後、殺人を証拠立てる物証が確保できず、逮捕後も家宅捜査を続け、その裏付けを急いでいた。拘留期限切れの10月7日になっても、凶器などの物証が見つからず、本人が一貫して「身に覚えがない」と主張していることを受け、起訴しても公判が維持できないと判断し、夕方にも処分保留で釈放することになった模様だ。関係者は「今日中にも小樽の自宅に帰れると思う」としている。 
 殺人事件の容疑者が、一転して釈放されるという事件の異例の急展開は、捜査当局の詰めの甘さを露呈することになり、今後の展開が注目される。