新病院の入札またも中止!市行政のズサンさ露呈


 総額138億円もの巨費をかけて建設する、小樽市立新病院の建築本体工事49億5800万円の入札が、5月23日(水)に開札することになっていたが、先の談合情報による入札中止に続き、今回も参加予定していた大手業者が、突然に辞退したため、異例の再度の入札中止に追い込まれていることが分かった。
 新市立病院の大型工事で、異例中の異例の2度にも及ぶ入札中止に追い込まれたことで、小樽市(中松義治市長)と設計会社(久米設計)のズサンな取り組みの責任問題が浮上することとなった。
 小樽市病院局(並木昭義局長)は、新市立病院の建築本体工事の入札を、当初3月5日に予定していたが、談合情報が寄せられ、参加予定の共同企業体(JV業者)が、価格が低すぎるとして入札辞退をしたため、結局、本体工事や設備工事の入札は中止となっていた。このため、入札は数ヶ月延期されることになり、設計会社と新たな打ち合わせの上、「価格は適正」として、再度の入札日を5月23日(水)と決めて、公告していた。
 市の入札方法は、郵便入札としており、入札前に大林組と戸田建設から参加表明があったが、今回の郵送発送期限の19日までに郵送がなかった。このため、急きょ、市が説明を求めたところ、突然、大林組は「都合により辞退する」、戸田建設は「工期に間に合わないので辞退する」との申し出がなされ、結局、入札中止に追い込まれたという。
 このため病院局は、22日(火)に市議会議長・副議長をはじめ、各会派の説明に走り回った。関係者の話では、今回の大手業者(大林組と戸田建設)は、東日本大震災の影響による資材や人件費の全般的な高騰で、市の予定価格では採算が取れないことを、入札辞退理由に挙げたとされる。
 小樽市と久米設計の2者蜜月で進めた新病院の大型入札が、2度にもわたって突然の中止になったことで、市と設計会社の責任が問われることになろう。
 迫る6月の市議会では、この入札中止問題が最大の議題になることは必至の情勢となり、市行政のズサンな対応が追及されることになろう。
 平成24年度病院局発注分 条件付き一般競争入札工事一覧
 小樽市立病院統合新築建築主体工事入札公告
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