ようやく豪華病院建設着工 新市立病院起工式



 小樽市立病院統合新築工事起工式が、9月27日(木)9:30より、新市立病院建設地(量徳小学校跡地・若松1)で行われ、小樽市長はじめ病院関係者、工事関係者ら82名が出席した。主催は、大林・阿部特定建設工事共同企業体、東光・加藤・北央特定建設工事共同企業体、きんでん・中島・笹谷特定建設工事共同企業体、朝日・山吹特定建設工事共同企業体、斉久・丸コ特定建設工事共同企業体。
 会場では、敷地内中央に祭壇を設け、工事着手の第一歩となる鍬入れ儀式が、住吉神社の宮司により、おごそかに進められた。
hospitalsyunko1.jpg 中松義治小樽市長は、「こうして起工式を迎え、建設がスタートでき嬉しく思う。小樽市は、2つの市立病院を抱え、老朽化が激しく、2つということで効率的な病院運営ができない。2つの病院を1つに統合して、高い医療業務に務め、効率的な病院経営に繋げることが長年の課題であった。様々な意見をもらい、ここに新しい病院を迎えることができ本当に嬉しい。およそ2年間の工事期間で、期待される新しい市立病院がオープンすることができると思う。市民から1日も早い開院開業を望む声が沢山あった。工事を進める施行業者の皆さんに安全な工事を進めてもらい、工事工程に沿った形に進めることができればありがたい。進めるにあたり、企業体の中に地元企業を構成員として参加させてもらった。新市立病院建設は、小樽市にとって大きな経済効果があり期待している。平成26年の雪が降る前に、完成するように進めてもらいたい」と挨拶した。
hospitalsyunko2.jpg 発注者である小樽市病院局・並木昭義病院局長は、「やっとこの日を迎え嬉しく思う。がん診療、脳・神経疾患診療、心・血管疾患診療を3つの柱とし、他の医療機関で担うことのできない疾患の診療・地域医療連携センター機能の2つの特性を持った後志二次医療圏の基幹病院として、地域完結型医療を目指す。統合して誕生する管内唯一の放射線施設の整備など高度・急性期医療に対応できる施設整備を行う。免震構造の採用、ヘリポートを備え、災害拠点病院としての役割を果たす。運営やシステムなどのソフト面の充実を図り、医師確保や医療環境の整備についても全力で取り組みたい」と話した。
 長年の紆余曲折を経て、小樽市は念願の新病院建設にようやく漕ぎ着けたが、巨額の累積赤字を抱えている現病院の負の遺産を背負っての建設着工には、今後の行方に大きな不透明感が漂っている。
 市が当初建設予定していた築港では、公的病院の済生会小樽病院の新築工事が、55億円をかけて既にに着工されている。これについで140億円をかける新市立病院の着工で、13万人口の小樽市には、200億円をかけた2つの新築病院が並立することになった。
 一般会計からザブザブと赤字補填を強いられている市の病院会計の行方は、まったく予断の許されない状況が続いており、新病院ができたとて、財務内容が急転する見込みのない着工だけに、豪華病院はできたが、小樽は沈没してしまったという結果になりかねないとの懸念の声も上がっている。
 小樽市:病院について