カジノ誘致に反対!設立総会と記念講演会に180人


「カジノ誘致に反対する小樽市民の会」の設立総会と記念講演会が、5月11日(日)13:30から、北海道新聞小樽支社(稲穂2)3階ホールで開かれ、予定していた人数を大幅に超える180人が参加した。
CASINO1.jpg 総会に先立ち、自主的に参加した全国カジノ賭博場設置反対連絡協議会・吉田哲也事務局長(兵庫県尼崎市・弁護士)は、「各地の声を全国に届けようと、同会を東京で4月12日設立した。その後の集会は、小樽でのこの会となる。東京を上回る多くの人が集まった。全国的に見ても沖縄、大阪に次ぐ3番目に設立される会と思われる。各地で出ている反対の声を結集して国会に届けたい。国会に提出されたカジノ推進法案は今のところ審議入りされていない。5月20日以降審議入りするかもしれないため、なんとしてでも審議入りを阻止したいと考える。運動をすることによって阻止は可能だと思う」と挨拶した。
昨年9月の小樽市議会第3会定例会で中松義治市長が、地域経済への効果が期待できるとしてカジノ誘致を推進すると明言し、小樽開催のカジノサミットへの補助金20万円を計上した。同10月には、小樽市でカジノサミットが開かれた。
中松市長のカジノ誘致推進への動きが加速する中で、市民の中から、今後の小樽の街づくりや市民に重大な悪影響をもたらすとして、10月末のカジノ誘致反対の呼びかけに、様々な職業を持つ市民31人が賛同した。その後半年間で7回ほどの会議を重ね、カジノ誘致に反対するとともに、誘致の是正に関する全市民的な討論をすすめることを目的とする新たな市民運動として、「カジノ誘致に反対する小樽市民の会(仮称 )」を結成することとした。
設立総会で、会則・活動方針などが提案され、拍手で承認され、「カジノ誘致に反対する小樽市民の会」が発足した。
同会の共同代表者には、結城洋一郎氏(小樽商科大学名誉教授)、平山英子氏(主婦)、長谷川久氏(小樽革新懇世話人)の3名を承認した。平山氏は、「力を借りて運動の輪を広げたいきたい」と挨拶した。
記念講演会では、北海道合同法律事務所(札幌弁護士会)の池田賢太弁護士が、「カジノ誘致で小樽は変わるか」について1時間ほど講演を行なった。
CASINO2.jpg 池田弁護士は、1984年札幌市に生まれ、小樽商科大学企業法学科を卒業し、北海道大学法学研究科法律実務専攻(法科大学院)修了。2011年から弁護士となり3年目。
講演の中で、「カジノ賭博について良く知ることが大切で、江道(カンウォン)やマカオでのカジノのビデオをインターネットで見ることができ、治安の悪化など、ひと目で良くないことや問題が分かる」と述べ、専門的な立場で、刑法からみた”賭博”についても触れた。
また、小樽観光都市宣言を読み上げ、ここに掲げた理念が、カジノと合致していないことへの疑問をぶつけた。「ギャンブル依存性や米軍の休養所になる心配、小樽は潤わないなど、様々な問題を抱えることとなり、充分考える必要がある」と話した。
最後に、「借金多重債務や依存性の問題においても解決できると言い、何ひとつ解決していない状況で、過ちを繰り返そうとしているとしか思えない。やはり、中には活性化と賛成する人がいるかもしれない。一時でもかっての活気を取り戻せるならそれで良いと思う人がいるかもしれない。問題点をしっかりと議論する必要がある。勉強し話し合いをし運動を進めるために、賛成派も反対派も集えるように、その中で、小樽の未来を次世代にどう繋げるか考え、その中でカジノの問題について知ってもらい、知れば良いことがないことが分かり反対するはず。今日聞いたことの種を、多くの人にしっかりと撒き続けることが、必ず勝利へ導かれると思う。小樽にカジノはいらない。皆さんとがんばりましょう」と締めくくった。
参加者は、「なんとしてでも反対!スピードを上げて盛り上げる必要がある」、「カジノ誘致を勧める人は、市民と議論をしようとしていない。これを打ちのめすためには大きな力が必要」、「将来も息子が住む小樽へカジノは反対。全国的に考える問題」など、反対する意見が相次いだ。
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