保線区の伝統"線路搗き固め音頭" 博物館で実演

 10月14日の「鉄道の日」にちなみ、小樽保線区OB会「線路搗き固め音頭保存会」(黒田隆会長)では、10月11日(土)・12日(日)で計7回、小樽市総合博物館(手宮1)中央駅向かい特設会場で、「線路搗き固め音頭」の実演が行われた。
railondo1.jpg 秋晴れの空の下、2日目の第1回目は、11:30の予定時間を早めに変更し、アンアンホース号の乗客が集まる中、同保存会の7名(70~80歳代)が実演に参加。保存会の揃いの半纏と国鉄時代の帽子・直足袋と脚絆(きゃはん:脛の部分に巻く布)という当時の出で立ちで登場。4人1組となり、音頭に合わせ、ビーター(ツルハシ)を振りかざし、現役時代を思い出しながら再現した。館内に同音頭が響き渡り、来場者は興味を寄せ見入っていた。
 線路搗き固め音頭とは、線路保守が機械化になる以前の明治時代から1950年代中頃(昭和30年代)まで、全国的に行われていた作業で、枕木の下に砂利を入れて、ビーターと呼ばれるツルハシを使い、列車が通過した後のレールの高さを合わせる作業で、歩調を揃えるために歌われていた。6kgもあるビーターを使っての作業はかなりの重労働で、疲れを癒すためとも言われ、全国各地それぞれの歌詞で歌われていたという。railondo2.jpg
 同音頭の鉄道文化を守り実演できるのは、今では小樽保線区OB会の同保存会のみで、貴重な存在となっている。実演は、旧小樽交通記念館の1996(平成8)年から2004(平成16)年に行われ、中断後、2010(平成22)年に復活した。2012(平成24)年には、同保存会6名(70~87歳)と小樽保線所、札幌保線所の若手現役職員4名の協力により復活。昨年は、悪天候で中止となり、2年ぶりのお披露目となった。
 小樽保線区OB会は、現在73名。そのうち、線路搗き固め保存会は、67歳から88歳までの10名の会員が、鉄道文化を継承する活動を続けている。
 黒田会長は、「保線の魂を肝に銘じ、1年1年頑張って続けていきたい」と話した。
 関連記事