商大マジプロ学生 市と観光協会へ初の報告会


 小樽商科大学(緑3)が開講する正課科目「社会連携実践・小樽の活性化について本気で考えるプロジェクト(通称:マジプロ)」を履修する学生が、初めて小樽市と小樽観光協会に、プロジェクト報告と商品化に向けた提案を行った。
 学生が自ら課題を提案し取り組んだプロジェクト「小樽観光客の満足度向上」について、10月21日(金)10:00から、市長応接室で同大商学部商学科2年小林鈴・佐藤美玖・三谷友里栄さんと、同大グローカル戦略推進センター地域連携教育コーディネーターの小山田健氏が、活動から得た成果について報告会を開き、日本と小樽の文化で体験型旅行商品を提案した。
 小樽市産業港湾部観光振興室・中野弘章部長・嶋崎哲也主幹・高瀬渡主査、小樽観光協会・田宮昌明専務理事・小野達哉事務局長・永岡朋子事業推進マネージャー(マジプロ外部コメンテーター兼)が出席し、学生の報告を受けた。
 今回、報告するプロジェクトは、正課科目「社会連携実践(担当:大津晶准教授)2016W(ウインター)」の6つのテーマのうちのひとつで、今年1月にスタートし、7月には最終成果発表会を開いている。
1021majipro1.jpg この課題に取り組む2年女子6名は、茶道部に所属。年々小樽を訪れる外国人観光客が増加していることに注目し、茶道部である強みを活かして、日本文化の抹茶を使い、観光客の満足度を狙うため、抹茶を点てる体験を試みた。また、リピーターの数を増やし、満足度を向上させようと、様々なアプローチ方法を考えた。
 海や運河をイメージする「水」と、観光客との交流の意味から「水流会」と命名し、抹茶たて体験と和菓子飲食体験を3回実施。
 各回ごとに内容をまとめ、改善点を見つけ次回に生かし、7月2日(土)には3回目を、利尻屋みのや私設ミュージアム小樽歴史館で実施。畳の上で抹茶点てを体験し、声かけを強化。気軽さや少人数対応など雰囲気づくりにも工夫した。
 アンケート結果から、小樽観光の目的として、文化の観光・体験が50%を占め、体験型の旅行商品が求められていることが予想され、イベントの満足度87%と高い評価を受けた。
1021majipro2.jpg 質疑応答の中で、嶋崎主幹から「単品というよりも何かと組み合わせたパックはどうか?」と提案され、中野部長は、「ここまで一生懸命に取り組んだので、今後に活かすためにどう継続させるか考える必要がある。商品化するとなると、貴賓館と一緒に取り組むなど、いろいろと発展性はある。使い方を考えてもらいたい」と助言した。
 
 田宮専務理事は、「アンケートで満足度が高いと出ているが、どんな反応があったのか?」の質問に、「お茶に興味がある中国人夫婦が、抹茶を初めて見て興味を大変持ち、どのように抹茶ができるか、どこで買えるかなどを伝えた」という。ホテルのサービスの中に盛り込むなど、商品化についての提案がいくつも出された。
 今回の報告会で得た手応え等について、佐藤さんは「社会人との経験の差に違いを感じ、至らない所が多く改善できればと思う」とし、三谷さんは「活動の報告はできたと思うが、これからの実施案としての組立が不十分であることが分かった」、小林さんは「まだまだ、改善の余地があると感じ、これを乗り越えたら小樽の活性化に役立つかもしれない可能性を感じた。そこを踏まえて改善していきたい」と意欲を示した。
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