アメリカ海軍誘導ミサイル駆逐艦マッキャンベル(艦長:エドワード・アンジェリナス海軍中佐)が、2月3日(金)予定より1時間遅れの9:45頃、凍りついた船体の甲板で、大勢の乗組員が整列する海軍の礼式のひとつ「登舷礼」を行い、船外の人々に敬意を表し、小樽港中央埠頭4番岸壁に接岸した。
港はゲートを閉鎖し立ち入りを制限。遠くから入港を反対する団体の抗議がこだました。
小樽港初寄港のマッキャンベルは、アーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦35番艦で、長さ155.2m・喫水10.36m・幅20m・排水量約9,250トン・マスト高45.7m・1日最大上陸人員218人で、約330名(士官33名・下士官300名)が乗艦している。
米第7艦隊前方展開海軍の戦力の一員として、神奈川県横須賀市を拠点に活動している誘導ミサイル駆逐艦で、今回の入港目的は親善。
寄港中は、乗組員の観光や買物を楽しみ、地域交流活動やスポーツ交流に参加。2月6日(月)14:00から17:00まで、小樽雪あかりの路でスノーキャンドルの作成や補修、キャンドルの点灯などのボランティア活動に参加する予定。
11:00過ぎ、艦内のワードルーム(士官が食事をする場所)で、エドワード艦長や副艦長、余市防備隊・三上大二一等海佐、自衛隊小樽協力会・福島正紘副会長、全国自衛隊父兄会北後志地区協議会・武市芳清会長、自衛隊小樽協力会幹事長らが出席して、入港歓迎式が開かれた。
福島副会長は、「今年も雪が多く街全体が雪景色に包まれ、厳しい冷え込みが続いている。しっかりと防寒し散策や食事を楽しんでもらいたい。皆さんが小樽の街を楽しまれ、友好の輪が広がりますことを祈念する」と歓迎した。
これを受けて、エドワード艦長は、「乗組員が日本文化への理解を深め、小樽や札幌の祭りに行き、皆さんとの交流の機会を楽しみにしている。小樽や近隣の町を訪ね、美しい自然に触れ、小樽で過ごす時間を心待ちにしている。有名な小樽雪あかりの路を歩き、新鮮な魚介類や寿司を堪能する予定。何よりも楽しみにしているのが、皆さん達との新しい出会い。艦内を見てもらい、私達が日々どのような任務を行っているのか、日本の防衛をするため、地域の平和と安全を維持するために、どのような活動をしているか理解を深めてもらいたい」と挨拶した。
記者会見で、一部の寄港を反対している団体の抗議活動について艦長は、「アメリカは、言論の自由を支持している国でもあり、いろいろな人がいると思うが、友好親善で寄港し様々な文化を経験し、皆さんとの交流を楽しみにしている」と回答した。
その後の艦内見学では、艦橋やヘリコプター格納庫などを公開。優れた防空能力のイージス武器システムや垂直発射システム、水上艦3連装備短魚雷発射管も搭載。精密で攻撃能力に加え、あらゆる種類の戦闘に対応できる戦闘艦の姿を見せた。
アメリカ海軍厚木基地に所属するヘリコプター2基(HSM-51)を搭載し、NH60Rは、ボディーに波の絵などが描かれ、地元との強い関係を意味する。対潜戦(潜水艦に対する海戦)や対艦船が主要目的。
出港は、7日(火)9:00を予定している。
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