除排雪費計上 3定補正予算発表


 小樽市(森井秀明市長)は、9月に開催される市議会(鈴木喜明議長)第3回定例会に提案する補正予算案を8月29日(火)発表した。
 一般会計・特別会計・病院会計など合わせて総額約27億8,000万円になり、補正予算としては大型のものとなった。主なものは除排雪費の12億9,700万円。
 除排雪費は、森井市長が、2016(平成28)年度の除排雪の状況が分析できていないとして、これまで1億5,710万円のみが当初予算に計上されていたが、今回の補正額と合わせて、今年度の除排雪予算は、合計14億5,410万円となり、2016(平成28)年度の決算額と比較して約1億円増加することとなった。この約1億円の増額のうち5,000万円は、ロードヒーティング電気代や総合除雪に係る人件費等の増によるもの。
 除排雪費は、降雪量や積雪深ではなく、過去5年間の作業量を勘案し算定したとしており、昨年度本格実施した第2種路線の除雪出動基準の引き下げや、試行で行われた生活路線への除雪や主要交差点における見通し確保の対応などについて分析を行った結果、導き出されたもの。
 また、今年度は、生活路線について冬期間車両の運行ができなくなる11カ所800mの区間について、歩行者の通行を確保するために、手押しの小型除雪機で除雪を行う方法を試行する。
 除排雪に関しては、貸出ダンプ制度の利用条件を変更し、一部に「利用制限ではないか」との声も聞かれる中、今回時間をかけてようやく計上された補正額が、どのような分析がされ、適正な算定となっているのかどうか、議会審議を通じて森井市長の説明責任が問われることになる。
 ふれあいパス事業費では2,670万円の補正額が計上される。これまで事業者が負担していた費用について、10月から来年3月分までを市が負担することとしたもの。市長は、「事業者から年度内の負担解消についての強い要望があったので、事業継続のために必要と判断した」としている。
 一方、議会側には、同事業費の補正予算提出に対して、「(森井市長の)事業者への不誠実な対応で、自ら招いた財政への損害を、今になって疎略な説明で、自身の失態を糊塗し責任を他に転嫁するごときもの」とする認識もあり、議会の場で森井市長がどのような説明を行うのかも注目される。
 補正にかかる財源のうち、不足額10億7,800万円は、市の貯金である財政調整基金を取り崩して充当する。これで同基金の残高は17億5,000万円になる。
 補正予算案の概要