薬物乱用防止教室!水産高校で開催


 函館税関小樽税関支署(港町5)は、11月1日(水)11:00から、北海道小樽水産高等学校(若竹町9・木村司校長)1階多目的ホールで、「薬物乱用防止教室及び麻薬探知犬による薬物探知デモンストレーション」を実施した。
 「税関の役割と薬物乱用の防止」をテーマに、同支署・菅原秀和管理課長、同監視部密輸対策企画室・泉慶太監視官ら4名を講師として派遣、同校1年160名が出席した。
zeikanschool1.jpg 講話に先立ち、同校・三田村司教頭は、2014(平成26)年4月に特定薬物の所持・使用・購入・譲渡がすべて禁止になったことに触れ、「薬物の使用は、君達の身体だけではなく、回りの関係者にも悲しい辛い思いをさせることを肝に銘じ、絶対に手を出さない強い気持ちを持ち、今日の講演を聞いてもらいたい」と話した。
 はじめに15分ほど、税関を紹介するDVDが放映され、国の安全と安心を守る取締りを行い、社会の安全と健康にも繋がる重要な役割を担っていることを伝えた。
 菅原課長の講話で、税関は外国からの不正薬物を阻止することを目的とし、全国9つの区域に分け、函館税関は、北海道と北東北3県を管轄し、13支署・9出張所があると説明。
 2016(平成28)年では、全国の不正薬物密輸事件892件・1,649㎏を摘発。その9割が覚醒剤。前年の3倍の摘発量で、日本が薬物に汚染されている深刻な状況で、大都市だけではなく、小樽市でも大きな覚醒剤事犯が摘発されている。
 覚醒剤は依存性が強く、幻覚や中毒になると死に至る。国内の覚醒剤の検挙人数は、昨年1万人を超え、薬物犯罪の78%を占めていると話した。この他、大麻・コカイン・アヘン・ヘロイン・危険ドラック・MDMAについても説明があった。
zeikanschool2.jpg 麻薬物乱用について、たとえ医療用の薬であっても、遊びや快感を得るために使用すると、依存性で生活が破綻、暴力や重大な犯罪に発展する危険性があることを強調した。
 最後に、「薬物乱用は、使用する人の心と体をボロボロにして家庭を崩壊させ、社会的にも大きな損害を与える行為である。被害者も加害者もいない、最後に残るのは薬物中毒になった自分だけ。それでも薬物を乱用しますか」と、締め括った。
 麻薬探知犬によるデモンストレーションでは、千歳に配備されている旅具検査対応犬のラブラドール・レトリバーのアグリ(7歳・雄)が登場。2011(平成23)年2月に配備され、退役予定は2018(平成30)年2月を予定している。空港で乗客の荷物や体を検査している。
 生徒5名が前に出てカバンを持って立ったところに、麻薬探知犬がハンドラーに連れられて登場した。大麻の匂いがついたカバンを、一瞬のうちに見つけ出し、大きな拍手が贈られていた。
 麻薬探知犬は、1979(昭和54)年6月に米国税関の協力を得て、2頭導入したのが始まりで、現在では約130頭の麻薬探知犬が配備されている。
 長谷川颯さんは、「薬物は危険で人生を壊してしまうイメージが強かった。今日の講演を聴いて、さらに、薬物は絶対に使用してはいけない気持ちが強くなった。他にも、税関の職業についても興味をもった。すごくためになった」と話した。
 税関HP
 関連記事1 関連記事2