北海道と小樽市、一般社団法人北海道水産会の共催で、6月1日(日)10:00から、第1回北海道豊かな海づくり大会が、グランドパーク小樽(築港11)で式典を、ウイングベイ小樽(築港11)でイベントと物販・展示、築港臨海公園でニシン放流、第一管区海上保安本部巡視船えさんと水産庁漁業取締船白竜丸の一般公開を第3号ふ頭を会場に開催された。
2024(令和5)年に厚岸町と釧路市で開催された「全国豊かな海づくり大会」で高まった機運を醸成し、北海道の豊かな海の恵を守り次世代に引き継ぐため、ニシン漁で栄えた歴史がある小樽市で同大会が開催された。
10:00からの式典には、鈴木直道北海道知事と迫俊哉市長、国会・道議会議員、水産関係団体や全道漁協など300名が出席。阿部国雄同水産会代表理事会長が、開会の言葉を述べ、鈴木知事が、北海道小樽水産高等学校生徒3名に未来を担う若者へ大会旗を託した。
大会旗の彩る青は、海の豊かさと水産資源を守る決意を象徴し、水産業の振興と海洋産業の保全、次世代への継承という北海道の強い意思を示す思いが込められている。
主催者を代表して鈴木知事は、「北海道の豊かな海を守り育て、次の世代に繋げていかなければならない。本土の水産業の重要性を広く伝え、つくり育てる漁業であり、豊かな海の保全に向けた機運を高めるため、道内各地で開催する。
かつてニシン漁で栄えた小樽を含む日本海沿岸は、長年に渡る関係者の努力が実り、各地で群来が見られるまで回復した。ニシンは水産業の発展と資源回復を象徴する魚。未来に引き継ぐ思いを込めて、総勢約700名と共に稚魚を放流する」と挨拶。
開催地を代表して迫市長は、「近年、地球温暖化による海水温上昇による海洋関係や生態系が変化し、漁業者の皆さんにとってその対応が迫られている。私たちの生活から不適切に処分されたプラスチックゴミが海の環境を犯し、これによる海洋汚染は世界的な課題。SDGs持続可能な開発目標のひとつに、恵を与えている海の豊かさを守ることが求められる。第1回大会が、多くの皆さんにとって豊かな海を守ることや水産業の持続的発展を考える契機になればと願っている」と述べた。
同学校栽培漁業科3年川合柊太さん・佐々木斗吾さん・保原聖佳さん・西岡大努さん・岸大和さんは、2024(令和6)年度第45回全道水産クラブ研究会で最高賞の優秀賞を受賞した「小樽の日本ザリガニを調べてみた」を発表。
北海道地区漁協青年部連絡協議会・山森昴会長が、北海道豊かな海づくり宣言を行い閉会した。
11:40と13:00にニシンの稚魚の放流が実施され、約700名が生後95日のニシン3,000匹を放流した。
札幌市在住のゆいちゃん(7)とたける君(4)も放流を初体験し、「ニシンを海に放流して少し寂しい気持ちになったが、大きくなってねと思った」と話していた。
ウイングベイ小樽ネイチャーチャンバーでは、味わう会場に後志の水産加工業協同組合等が集結し、自慢の海産物加工品を販売。寿都水産加工業協同組合は旬の貴重なしらすの佃煮を販売。小樽水産加工業協同組合は、ニシンの昆布巻やニシンの甘露煮、サンマコンフイ、かにおこわプレミアムなどを特別価格で販売した。
見て・触る会場には、北海道立総合研究機構の海の生き物タッチプール、北海道成長産業課のほたて貝殻でストラップづくり、北海道済生会による3Dフィギュアを缶詰に封入する水族缶を制作した。
ウイングベイ小樽2階は、林業•農業関係11団体による展示等を開催。北海道森林海洋環境課は、カラマツ•トドマツ•シラカバなど7種類の木から作られた木の玉プールを設置。このほか、北海道コカ•コーラボトリング株式会社がペットボトルキャップを使った工作会を開いた。
会場は多くの家族連れが行き交い、各ブースの催しに参加したり、水産加工品など購入したりして楽しんでいた。