小樽佛教会(66ヶ寺・麻上昌幸会長)主催の2025(令和7)年おぼん万灯会が、8月19日(火)16:30から小樽運河公園(色内3)で開催された。
小樽佛教鑚仰会後援・小樽典禮株式会社協賛の催しも26回目の開催で、小樽の夏の風物詩となり、同佛教会の理念である「いのちたいせつ」を基本テーマに、宗派に拘らず誰でも参加できるとあって大勢の参拝者が訪れ、先祖や亡き人々に手を合わせていた。
運河公園の噴水を囲むように露店が立ち並び、小樽太鼓衆鼓響の打演、大道芸人クマさんショーも行われ、子どもから大人まで楽しんだ。同佛教会青年部によるくじコーナーも人気で、運試しをする子どもたちで賑わった。
午前中には雨も上がり、風もなく万灯会日和となり、会場には約4,000基の万灯が3段のひな壇に並べられロウソクの灯が灯された。
18:50から秦秀昶同会副会長が、中央の噴水池に1基目の蓮華灯を浮かべると、列を作っていた人々が次々と蓮華灯を浮かべ、約100基の蓮華灯が流され、徐々に日も暮れ幻想的な光景を醸し出していた。
会場の祭壇前では僧侶約20名が大法要を行い、19:20からは各宗派毎に読経が行われ、一般参拝者も手を合わせた。
秦副会長は、「第26回目となり、亡き人を偲び感謝の気持ちを伝える行事であり、命の尊さに気付き、命の繋がりに感謝する大切な行事。皆さんの心に故人の温かい思い出が蘇り、安らかな気持ちに満たされますよう祈っている。今年は終戦80年の節目の年、万灯の灯が世界の平和と希望を照らし明日への活力となるようお祈り申し上げる」と挨拶した。
市内在住の60歳女性は、「一昨年にこの万灯会を知り、亡き母の墓参りも行けないと父と相談し、蓮華灯を浮かべようと話をしていたところ、昨年はその父も病に伏し昨年の9月に亡くなった。
今年こそは蓮華灯に両親の戒名と俗名を書いてもらい、手を合わせ無事に流すことができ、2年ぶりに父との約束を果たし、満足した気持ちになった。このような宗派に拘らずに誰でも参加できて、故人を偲び手を合わせる文化をずっと残してほしい」と話していた。
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