雪深い奥沢墓地で墓前祭! 100人が多喜二偲ぶ

 小樽多喜二祭実行委員会(寺井勝夫実行委員長)が主催する、小樽出身のプロレタリア作家小林多喜二の没後81年を偲ぶ「墓前祭」が、2月20日(木)の命日13:30から、奥沢墓地で開かれ、全国各地の多喜二ファン100人が集まり、多喜二を偲んだ。
2014takijisai2.jpg 前日には、同実行委員ら20人が、墓までの道をつける雪かきが行われた。昨年の吹雪とは打って変わり、この時期には珍しく青空が広がった。関係者や参拝者は、”多喜二晴れ”と好天に感謝していた。
 同祭は、1988年に始まり、その後、毎年2月20日の命日に開催し、今年で27回目となる。奥沢墓地の高台に、多喜二が父のために建てたと言われる墓があり、今年も雪深い墓前に、全国各地から集まったファンが赤いカーネーションを献花し多喜二を偲んだ。
 同実行委員の琴坂禎子さんは、「素晴らしいお天気に恵まれた。多喜二の志を受け継ぎ、全国に広げようと各地で多喜二祭が開かれている。歴史の真実を踏みにじり、再び戦争にする国作りに変えようとする暴走を許さない決意の日として、大きな意味を持つ多喜二祭となった。2014takijisai1.jpg
 若い世代が男女を問わず、人たるに値しない労働条件のもと、自らの才能を開花させる学びの場の機会を奪われ、未来に希望を見出すことのできないこの国の姿に心を痛め、自分に何ができるか考え、動き始める人々がいる。
 この小樽の地で多喜二の志を引き継ぐ者として、政治の企みを許さないと改めて決意している。これから行われる市民劇は、墓前際と記念の夕べを繋ぐ役割とともに、登場人物のすべてが主人公として演じられる市民劇。多喜二の志をみんなで分け合い、未来・憲法を守り、多喜二の命を奪った治安維持法の亡霊の如き、特定秘密保護法を廃止に追い込む国民運動を進め決意をする1日にしたい」と挨拶した。
2014takijisai3.jpg 日本平和委員会苫小牧支部・篠原昌彦会長(苫小牧駒沢大学教授)の呼びかけで、墓前で労働者解放の歌「インターナショナル」を全員で歌った。
 篠原氏は、「多喜二の文学の深さと大きさがいつまでも心の中に生きている。熱い想いを改めて、お墓の前で心に刻み、未来へ受け継いで生かしていきたいと思う」と話した。
 斎藤力事務局長は、「挨拶にあったように、まさに多喜二晴れとなり良かった。小樽での多喜二祭を手本に、全国各地に広まり、やめるわけにはいかない。今後も続けたい」と話した。
 引き続き、小樽市民センター(色内2)マリンホールを会場に、16:00から第1部、市民劇「爺ちゃんは昔戦争に行った」を公演。18:30から第2部、北海道合唱団コーラス、小樽商科大学教授の荻野富士夫氏が「蟹工船から見えてくるもの」と題して講演会を行なった。
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