地域住民や卒業生らが集う 入船小学校閉校式



 統合に伴う来年3月末の閉校のため、先週の小樽市立最上小学校に続き、11月25日(土)10:00から校内体育館で、入船小学校(入船3・柴田眞公子校長)閉校式が挙行され、児童154名・教職員15名・学校関係者・地域住民ら約600名が出席した。
 小樽港が一望できる学び舎は、1930(昭和5)年12月に入船尋常小学校として児童数260名で開校。1941(昭和16)年には児童数696名となった。irihuneheikou1.jpg1978(昭和53)年に改築し、船をイメージする円形の窓がある。来年3月をもって87年の歴史に幕を下ろすこととなり、最後の卒業生を合わせると、総勢7,455名にのぼる。
 少子化に伴い児童数が減少して統廃合を余儀なくされ、卒業生は、菁園中学校と松ヶ枝中学校へ。在校生は、山手小学校と花園小学校、奥沢小学校へそれぞれ通うこととなる。
 柴田校長は、「母校が閉校してしまうことはとても寂しいことですが、先生方はこの1年間、皆さんに沢山の思い出を作ってもらおうと色々な行事を行ってきた。そして、入船小学校の集大成として、元気で優しい心と進んで努力する逞しさをしっかりと身につけられるよう努力してきた。
 学校という器はいつか形を変えたり失われていくが、思い出や培った精神は、自分自身の血となり肉となり、皆さんの心や体を成長させていく。4月から通う学校でも、入船小学校で身につけたことを大切に、沢山の友達を作り明るく元気に過ごしてほしい。新しい未来に向けて夢や希望をさらに膨らませ、前進してください」と挨拶。
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 児童のことばでは、全校児童が参加して、学校での日常や行事の思い出を元気に語り、寂しさを吹き飛ばすように「ありがとう入船小学校」と声を揃えた。
 林秀樹教育長へ柴田校長から校旗を返納。校歌を出席者全員で斉唱し、閉校を惜しんだ。
 市内在住の竹内勝治さん(78)は、2年生から6年生の1学期まで同校に在学。1948(昭和23)年の3年生の頃に撮影したクラス写真を持参。「楽しかった思い出でがある」と当時を懐かしんだ。
 11:30から、同会場で、1年生から3年生の1学期まで在学した、シンガーソングライターのあがた森男さん(69)の演奏会が開かれた。
 あがたさんは留萌出身で、デビューして45年。現在、埼玉県川口市在住のシンガーで俳優、映画監督などマルチな才能を発揮している。2007(平成19)年に小樽ふれあい観光大使となる。
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 1・2年生の時の担任だった佐藤敬子先生を思い、消息を調べたがすでに他界していたことが分かり、2001(平成13)年に「佐藤敬子先生はザンコクな人ですけど」をリリース。
 現在、ドキュメンタリー映画「佐藤敬子先生を探して」を制作中で、今回の閉校式の模様(約5分間)を映画の最後に入れる予定。12月1日〜3日に開催の函館港イルミナシオン映画祭で初公開される。
 演奏会では、デビュー曲をはじめ松田聖子カバー曲など6曲を演奏。児童は、プロの生ライブを間近で聴き、一緒に歌うなど楽しんだ。「佐藤敬子先生はザンコクな人ですけど」を最後に歌い、大きな拍手に包まれた。
 入船小学校
 函館港イルミナシオン映画祭