蜃気楼講演会 美術工芸品に見る時代背景

 小樽市総合博物館運河館(色内2)で開催中のトピック展「蜃気楼の美術工芸品」の関連事業の担当学芸員による講演会が、8月22日(土)10:00から、小樽市観光物産プラザ(色内2)3番庫ギャラリーで開かれた。

 

 上位蜃気楼の研究を続ける同館・大鐘卓哉学芸員が講師を務め、自身が石狩湾で観測した動画や写真を紹介しながら、松浦武四郎が見た高島おばけとは何か、記録に残した江戸時代における「蜃気楼観」について、蜃気楼とはどんな現象かを伝え、トピック展で展示紹介されている美術工芸品についてなどを解説した。

 

 江戸時代の探検家・松浦武四郎は、1846(弘化3)年小樽沖を航行中に、祝津の高島岬などが蜃気楼化したのを見たという記録が、「西蝦夷日誌」に残され「高島おばけ」と呼ばれていたという。

 

 同学芸員が、2008(平成20)年に石狩湾で大規模蜃気楼に遭遇し、動画や写真の撮影に成功。石狩湾新港のタンク等の変化や典型的な蜃気楼の発生条件も合わせて解説。

 

 トピック展をすでに観ている参加者は、さらに蜃気楼に関する知識を深め、興味を示していた。

 

 運河トピック展「蜃気楼の美術工芸品ー高島おばけの時代背景ー」

 4月2日(木)〜9月10日(木)9:30~17:00

 総合博物館運河館(色内2)第一展示室

 入館料:300円、高校生・市内70歳以上150円、中学生以下無料

 

 ◎小樽市総合博物館運河館トピック展(外部)

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