吉松派若柳流旭甫会 小樽市能楽堂で日本舞踊

 

 

 小樽市歴史的建造物の小樽市能楽堂(旧岡崎家能舞台)で、9月15日(金)15:30から、2022小樽市制100周年記念協賛事業「和の幻想と現代を万代(よろづよ)に語りつがへと」が開催され、観客は日本舞踊とデジタルアート公演を堪能。9月9日の重陽の節句(菊の節句)にちなみ、菊酒や甘酒も振舞われた。

 

 佐渡出身で荒物雑穀商として成功した岡崎謙氏が、1926(大正15)年自宅邸内に建築した能舞台で、1954(昭和29)年に小樽市に寄贈され、1961(昭和36)年に公会堂の移設に伴い、現在の場所に移され、同建造物に指定されている。

 

 主催の吉松派若柳流旭甫会は、1962(昭和37)年若柳吉章郎が初代旭甫となり設立。1997(平成9)年に初代愛弟子の宗家光玉が三代目旭甫を襲名。2005(平成17)年、宗家福凰氏が4代目旭甫となり、2022(令和4)年に若柳弌與氏が5代目若柳旭甫を継承している。

 

 全国の日本舞踊や歌舞伎公演・長唄演奏会などで多忙を極める三味線演奏家の杵屋五吉郎氏を招き、唄と囃子が加わり生演奏を披露。明治大学総合数理学部福地健太郎教授による光や映像の演出の中で、舞踊とデジタルアートの共演を実現させた。

 

 能の橋弁慶を元にした長唄五條橋で、弁慶役に若柳旭輝さん、牛若丸役に娘の大橋凛さんが務め、京の五条橋の牛若丸と武蔵坊弁慶の出会いを描いた舞踊を熱演。見所の身軽な動きの牛若丸と荒くれ法師の弁慶の息の合った立ち回りを披露し、大きな拍手が贈られていた。

 

 稲穂小学校5年生の凛さんの担任教諭も観劇し、「普段から活発で明るい凛さん。能舞台で踊る様子を初めて見せてもらい、凄いと思った」と話した。

 

 能楽「船弁慶」を元に歌舞伎化されらに舞踊化した長唄静と知盛を、背景のデジタルアートに春夏秋冬の移り行く様子が流れ中、若柳旭優氏が演じ、観客は目を見張っていた。

 

 「菊慈童」菊花の咲き乱れる神仙境を舞台に、菊の花のめでたさとその菊が水に滴り不老不死の薬になった由来を語り、永遠の美少年の長寿を寿ぐ慈童という、不思議な人物が主人公の長唄乱菊枕慈童を5代目家元若柳旭甫氏が務め、観客は時間を忘れるほど、舞踊の世界に陶酔した。

 

 16日(日)は11:30から、茶道裏千家淡交会呈茶席小樽支部×日本舞踊で、茶道の人と人との関わりを大切にするおもてなしの文化を嗜み、小樽支部保存会(小樽潮見ヶ岡神社)による国指定重要無形民俗文化財・松前神楽、小樽の子どもたちが出演する花かげ・月のお姫様と和洋合奏波など19演目で行う。箏曲藤の会による演奏と尺八の増井黎山(札幌市)・大佐賀博童(小樽市)と共に演奏する。

 

 ◎吉松派若柳流旭甫会(外部)

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