2012年 ベストマスター

2012年12月のベストマスター
大型アメリカンバーガー&バー「GO-2 BASE」(ジーオーツーベース) ※閉店

千葉 浩志マスター

 10月にオープンした「大型アメリカンバーガー&バー“GO-2 BASE”(ジーオーツーベース)」の代表千葉浩志さん(33)。

 小樽生まれの小樽育ち。元気で活発な少年時代を過ごす。スポーツもなんでもこなし、現在も、夏はサーフィン、冬はスノボーを楽しんでいる。

 高校卒業後、新日本海フェリーに就職し、船の厨房で働く。その後、介護の仕事に転職し、8年前には、札幌で自動車関連の会社を営み、小樽祝津へ移店した。30歳で結婚し、現在、3ヶ月と2歳8ヶ月の男の子のパパでもある。

 店名の「GO-2」は、千葉さんの昔からの愛称「ゴッツ」と、所ジョージの大ファンで、所ジョージが「世田谷ベース」など、「ベース」という言葉をよく使うところから、合体させて名付けた。

 店内は、アメリカンムードに包まれている。アメリカにこだわったのは、“小樽のプレスリー”こと山田章夫さんの娘さんの夫が、専務として事業に携わり、開店の話があったのは、偶然にも山田さんの命日だったという。山田さんがプレスリーを愛した意志を継ぎ、プレスリーからアメリカンバーへと繋がっていった。店内のステージでは、音楽イベントを予定。山田さんのバンド仲間やレゲエのメンバーなど、小樽出身のアーティスト、素人でも中高生でもおじさんバンドでも、敷居をぐんと下げて、誰でも参加できるようなライブを開き、子どもファッションショーなどとジャンルも問わない。

 数々の試作を重ねたこだわりのアメリカンサイズのビックハンバーガーは、パテとソースにこだわり、とくにソースには、じっくり煮込んだミートソース。おススメは、特製3種類のチーズとオリジナルミートソースのバーガー420円、こだわりのチキンをサンドしたバーガー390円。厚切りベーコン、2段パテ特選チーズにアボガドのバーガーは1日限定30食1,200円。

 ランチは、11:00~17:00で、特製ミートソースにソーセージのシスコライスと特製チキンのチキンプレート。どちらもサラダとドリンクつきで650円など、オリジナルプレートメニューを用意。常にお客さんの要望に応えメニューを研究し、最近では、カレーやハヤシライスも完成した。

 バーは18:00~25:00で、アルコールとつまみを含めたメニューを用意。下からビールが湧き上がる“トルネード・ディスペンサー”は北海道初登場。カップを置くだけで、下から竜巻のように渦を巻きながらビールを注出する。2階は、2次会、3次会用の大型パーティールーム。巨大スクリーンとカラオケを完備し、50名まで入場可能で、スタンディングでは80名まで対応できる。

 代表は「小樽にないものを開きたかった。ロック繋がりで、いろいろな催しができればと思う。みんなで楽しめる場所を提供したい。ライブを見たことが無い人にも沢山来てもらいたい。12月22日には小樽出身のレゲエイベントを予定している。大いに盛り上がりたい」と話す。笑顔が優しい「GO-2 BASE」のマスター。

大型アメリカンバーガー&バー「GO-2 BASE」(ジーオーツーベース) ※閉店

ランチ:11:00~17:00
バー :18:00~25:00
0134-64-5264
小樽市花園3-1-5 GO-2 BASEビル

2012年11月のベストマスター
和菓子処 小樽つくし牧田

牧田 浩司マスター

 創業38年和菓子処「小樽つくし牧田」を経営する牧田浩司社長(51歳)は、東京生まれの小樽育ち。小学校6年生の時に、父が北海道にないものと干菓子製造卸販売業を始めた。夏休み・冬休みに家業を手伝っていた。物づくりが大好きで、美術が得意。趣味は絵を描くこと。手先も器用で、家業を手伝い和菓子職人となる。5年前に父が亡くなり、社長に就任。

 干菓子、上生菓子、焼き菓子の3種類を、厳選した材料を使い、丁寧に仕上げて販売している。茶席に使用されることが多い干菓子、上生菓子は、季節を前取りし、茶のしきたりに沿った、伝統的な模様や形を守り、継承している。抹茶には上生菓子で、煎茶には干菓子が使われる。10月は、茶席ブームで多忙だったという。

 また、年中行事に合わせ、月見饅頭やべこ餅、桜餅、うぐいす餅なども製造販売している。

 より良いものを追求し、ライン、表現、形にこだわり、あんこの加減、練り具合の難しさに、日々挑戦しているという。干菓子は通信販売を行い、道内各地から注文を受けている。注文を受けてから製造しているので、作り立てものが手元に届く。9月からは、練り切りを使用した直径16cm・高さ4cmの和菓子ケーキ(税込3,000円)も販売しているが、店頭以外にも、電話やインターネットで注文を受け付けている。

 小樽職人の会にも所属し、修学旅行生の体験制作グループに参加したり、また、独自に、小・中学校で練り切りの制作体験会出前講座を行ったり、旅行代理店からの依頼にも応じている。2年前から、道新文化センターで、饅頭を含め8種類を制作する「口取り」制作体験を開催。人気の講座で、今年も申込みを募ったところ、すぐに満員となった。

 牧田社長は、「体験会では、形を作る楽しさを知り、子ども達の笑顔を見て良かったと思う。一番嬉しいのは、当店の和菓子を食べて『美味しい』と言われること。小樽を代表するお菓子ができたら良いと思う。干菓子・上生菓子をメインに伝統を守り、ずっと継承し、より洗練させた物を作り上げたい」と話した。

 店頭には、季節に合わせた綺麗な色の和菓子が並び、人々に至福のひと時を提供し、今日も次の干菓子のデザインの構想を練っている和菓子職人「つくし牧田」の牧田社長。

和菓子処 小樽つくし牧田

小樽市花園5-7-2
営業時間:9:00~17:00
定休日:日曜日・元旦
電話:0134-27-0813
FAX:0134-27-1310

お店のHP
2012年10月のベストマスター
シロクマ食堂

本間 学マスター

 北運河沿いの小樽漁業組合の向いに、シロクマの暖簾とシロクマの看板が目立つ。今年1月に移転してきたメニュー豊富な「シロクマ食堂」を営む本間学さん(47)。

 小樽市梅ケ枝町生まれの手宮っ子。18歳で就職し埼玉へ。その後、三重、栃木、岩手、宮城と移り住んだ。

 サラリーマンを辞め、気仙沼で、海岸から歩いて5分の場所に蕎麦屋を10年間営む。本間さんは、3人兄弟の末っ子だが、両親のどちらかが無くなったら、故郷小樽へ帰ろうと決めていた。震災が起こる2年前に高齢の母のため小樽へ戻った。東日本大震災で店があった場所は、跡形もなく津波に流されてしまった。

 小樽に帰って来て、蕎麦屋をリサーチしたが、朝里川温泉スキー場近くの貸別荘ウィンケルに隣接した場所で、「シロクマ食堂」を2010年9月に開店し、今年1月に現在の場所へ移転した。

 シロクマ食堂とは、以前観た映画の「かもめ食堂」のように、いろいろな人が集まり、何かを求めて来店してくれるよう、要望に答えて何でも提供できるような店にしたいと名付けた。

 「何がおススメ?」とよく聞かれるが、それぞれのメニューに思いを込めて作っているので、これだとは言えない。マグロとアボガドの海苔巻、気仙沼でもヒットメニューで予約が必要。秋になるといも煮を提供。北海道のジンギスカンのような存在で、東北では定番の食べ物で、みんなが集まると必ずと言っていいほど提供される。醤油味でさと芋が入った豚汁風ではあるが牛肉を使用。これも自慢の一品。

 本間さんは、料理の調味料ひとつにしても、醤油醸造所まで行く程、とことん追求、知識が豊富。美味しい物を提供したいという思いから、手間隙惜しみなくかけている。料理や飲み水に使用している水は、真狩の湧き水を使用。この水を使用し美味しい炊き方でご飯を提供する。これも本間さんにしてみれば、ごく当たり前の範疇(はんちゅう)だ。

 料理もアートで、絵具は食材。同じ材料と器具を使っても同じものはできず、絵と同じだと言う。日々切磋琢磨し、商売仲間はいるけど、商売敵(がたき)はいない。レシピを公開し、真似できるなら真似してもらっていいとさらりと答える。市場で食材を仕入れ、その時にシーズンメニューを考え、旬の食材の食べ方を教えてくれる。

 食べたいものがあったら「シロクマ食堂」へ行って食べると、胃袋と心まで充たされ、男女問わずファンが多い。

シロクマ食堂

小樽市色内3-6-3
営業時間:11:00~22:00
定休日:不定休
電話:0134-31-4690

2012年9月のベストマスター
食事処 味乃華 ※閉店

須田 康孝マスター

 長崎屋小樽店(稲穂2)の裏口と向かい合わせにある「味乃華」の店主・須田康孝さん(63)。小樽生まれの小樽育ち。

 食べることも料理を作ることも好きだったため、サラリーマンを辞め、7年前から店主となって営業している。前店主が14年前にこの場所で定食と総菜の店を始め、2ヶ月間の引き継ぎの後、譲り受けて今日に至った。

 美味しい物を低料金で取り揃えており、常連客からは「この味でこの値段で、商売が続いていることが、小樽の七不思議のひとつ」とまで言われる。マスターのやさしい物言いに、女性フアンも多く、常連客の笑いがいつも絶えない。

 おススメは、定食600円(営業時間内対応)。魚か肉のどちらかをメインに選び、小鉢2品とご飯、味噌汁(おかわりOK)と、リーズナブルでボリューム満点。昼時は、サラリーマンやOLなどの会社員や、高齢者などが立ち寄る人気食。惣菜の量り売りもあり、主婦や1人暮らしの台所の助っ人としての役割も大きい。常時12~13品目の売れ筋惣菜を用意。肉じゃが100g150円、フキと竹の子の煮物、マカロニサラダ、ハンバーグ、焼き魚など平均100g200円。味は、常連さんの保障付き。煮物は味がしっかりしみていて、また食べたくなる、おふくろの味。昼も夜もこの店でという人も。

 毎朝8時前に出勤し、女性スタッフとひとつひとつ丁寧に惣菜を作り、11時開店の準備をする。マスターと女性スタッフの軽妙なやりとりが、店に笑いと明るさを倍増させている。

 晩酌セットは、生ビールに小鉢2品が付いて780円、ビール中瓶と小鉢2品780円、日本酒2合と小鉢2品で880円と、どれも良心的な格安値段だ。晩酌セットとなっているが、開店時からオーダーでき、常連客に人気が高い。新鮮さに気を使い、イカ刺しなどの生ものもうまい。また、味のしみた鯖の味噌煮は、とくに美味いと評判。味噌汁状態からとろみが付くまで煮込む熟練の味。米にもこだわり、雨竜郡秩父別町から、冷めても美味しいおぼろ月やななつぼしを仕入れている。弁当もその場の注文に応じている。オードブルも希望に応じ予約販売している。

 須田さんは「小樽は海産物が美味しく、物価も高くない。7年もやってきたが、大変なことは特にない。大変だったら辞めてるかな・・・?」と笑う。物腰が柔らかく優しい人柄の店主の味を知っている小樽人は、幸せ者と言える。ここには、まさに味の華がある。

 アットホームな雰囲気の食事処「味乃華」のマスター。

食事処 味乃華 ※閉店

小樽市稲穂2-10-5
営業時間:11:00~21:00(L.O)
定休日:日曜日と月曜日の振替休日
電話:0134-25-5562

2012年8月のベストマスター
小樽天狗山カレー&カフェ celan

佐藤 亜友太マスター

 小樽天狗山の麓に、6月1日にオープンしたカレー&カフェ「celan(ケラン)」の佐藤亜友太店長(31)。

 小樽生まれの小樽育ち。子供の頃は、よく怪我をする元気な少年だった。市内の飲食店で仕事をし、札幌ではカレー屋に勤めた。カレー屋の経験を活かし、小樽を盛り上げよう!地元で店を出したい!と、スタッフと3人で始めた。

 子供の頃の天狗山と言えば、冬のスキーシーズン、リフトには行列ができ、乗るために並んで待たなければならなかった。今では、そんな光景も見られない。天狗山の夜景は素晴らしく、こんな良い場所に、道内外からや、良さを知らない、また、忘れかけている市民に来てもらいたいと、天狗山の麓に店を構えた。

 開店まで4ヶ月足らずで、店内の改装も仲間の協力のもと、みんなで作り上げた。試食会を何度も開き、アンケートをとり、試行錯誤で味を作り上げ、開店まで休まず準備に没頭した。

 ケランという名は、美味しいという意味のアイヌ語「ケアラン」から名付けた。

 店の周辺にスケートボードの公園を作ったり、屋外で食事のできるスペースなど人が集まる場所を、仲間の手を借りて、現在作っている最中。

 佐藤店長こだわりのカレーには、スープカレーとルゥーカレーがあり、スープカレーは、とんこつ・とりがらをそれぞれ12時間以上じっくりと煮込み、独自に配合したこだわりのスープに、トマトの甘味と酸味が利いたマイルドなトマトスープと11種類が入ったスパイススープのどちらかの味を選ぶ。辛さは1から10まで。店長おススメは、「ほろほろチキンと野菜のスープカレー」1,180円。

 ルゥーカレーは、水を一切使わない無水カレーで、野菜の水分のみで出来ている。辛さは1から5まで。店長おススメは「緑の大地のカレー」850円で、ほうれん草のソース入り。ライスのサイズも選べ、野菜やチーズのトッピングもできる。

 ランチは11:00~14:00、カレーメニューにコーラ、コーヒーなどドリンク無料。また、コーヒーにもこだわり、カレーに合う味を焙煎して提供。どうせ出すなら美味しいものをとこだわっている。

 開店時は駅前で、これ以上出せないという大声で「最高のロケーションでスープカレーを食べませんか?」と、インパクトのある宣伝をしたり、地域住民宅へ直接訪問し宣伝した。宴会も15名までOK。予約に応じて、営業時間外でも受け付ける。

 佐藤店長は「常に美味しいものを提供できるように試行錯誤し、完成品なんてないと思う。新メニューの開発も考えている。将来的に、この辺一体で、天狗山を盛り上げるためのカフェを展開していきたい」という。

 小樽を活気づけよう!小樽のシンボル天狗山を元気にしよう!と「celan」
のエネルギッシュなイケメンマスター。

小樽天狗山カレー&カフェ celan

小樽市最上2丁目16番21号
電話:0134-26-6995
FAX:0134-26-6997
営業時間:
11:00~14:00(lunch)
14:00~18:00(tea)
18:00~21:00(dinner LO~20:30)
定休日:なし

お店のHP
2012年7月のベストマスター
カジュアルバーA(エース)

梅澤 雄一マスター

 おたる屋台村レンガ横丁にあるカジュアルバー(気楽な酒場)「A(エース)」のマスター梅澤雄一さん(41)。

 横浜で生まれ育ち、小さい頃からスイミングとエレクトーンを習い、中学まで過ごす。その後、東京に住み、ずっとアパレルの問屋で仕事をしていた。3年前に北海道に移住し、ビール好きが高じて自分の店「ビアバー」を持ちたくなった。入口を一歩入った瞬間から、店の雰囲気が分るような店舗を探した。すすきのも考えたが、小樽で店を探しに来たところ、一目でレンガ横丁が気に入り、開店へと話が進み、一昨年の12月1日に開業した。

 店名の「A(エース)」は、1番目の文字を考えた時、アルファベットの「A」が思い浮かび、エースの意味も含め名付けた。店の特徴は、世界のビールが30種類以上あり、各国のビールを味わうことができる。酒に合うフードメニューも用意。人気の厚切りベーコンやソーセージ盛り合わせ、パスタもある。料理好きのマスターが腕を振るい提供してくれる。

 おススメビールは、メキシコ産の「コロナ」。グラスにライムを刺し、軽めのさっぱりしたビールで人気。ドイツ産の「サリトス」はテキーラとライムを加えた、甘めで女性向き。現在、マスターのマイブームは、イギリス産の「バスペールエール」。独特な風味と味わいを楽しめる。国産生ビールや、軽井沢の「よなよなエール」、川越の「コエドビール伽羅」などの地ビールもあり、その他、日本酒、梅酒、リキュールを取り揃えている。

 マスター自らビールバーを回り、直接情報を見て聞いて確かめ提供している。お客さんからの海外情報の提供も参考にしている。「見てるのと実際に店を持つのとは違ったが、楽しく営業できればと思う。小樽で開店して良かった。小樽住民がみんな良くしてくれている。屋台ということもあり、カウンターに座り、店内で知り合い、みんな友達になれる。できればもっとビールの種類を増やし、皆さんに提供していきたい」と話す。

 物腰が柔らかく長身でおしゃれな、レンガ横丁「A」のマスター。

カジュアルバーA(エース)

小樽市稲穂1丁目4番15号レンガ横丁
電話:070-5611-8665
営業時間:18:00~
定休日:日曜日

2012年6月のベストマスター
華かぐら

藤田 和久マスター

 花園繁華街にある「華かぐら」の店主・藤田和久さん(49)は、小樽生まれの小樽育ち。

 父親が、現在の店舗場所でずっと飲食店を経営し、その背中を見て育つ。高校卒業後、札幌パークホテルへ就職。和食の修行が始まる。3年後に退職し、40歳まで、札幌・小樽の17店舗を回り料理経験を積んだ。「かに家」「小樽貴賓館」「天望閣」(現ホテルノイシュロス小樽)などで勤務し、和食料理長を務めた経験もある。

 札幌パルコの和食屋に勤務していた頃、妻の真貴子さんと出会い結婚。一男一女をもうける。平成17年2月に花園公園通り商店街に「旬菜」を開店し、旬の野菜と惣菜を中心とする店を経営した。その頃から真貴子さんも店を手伝ってくれるようになった。

 平成20年12月に、父親の飲食店の場所を広げ、姉妹店として「華かぐら」を開店する。隠れ家的ながら華があり、個室ではお客さんの華を出す、という意味を込めて店名を決めた。平成22年に「株式会社旬菜」を立ち上げ、代表取締役に就任した。現在は、「旬菜」を閉め、「華かぐら」1軒に全力を注いでいる。

 旬の物を出し、今の時期のおススメは、山菜や小樽産のうに、マガレ、いさきなど。地元客相手なので、小樽産だけでなく、本州の魚を提供すると意外に喜ばれるという。

 「エスカロップ」(豚カツにドミグラスソースかけたもの)や、「ジャグラチーズ焼き」、「八角から揚げ」が人気メニュー。秘伝のドミグラスソース作りは、現在も父親に協力してもらっている。冬の寒い季節は、真狩産のハーブ豚のしゃぶしゃぶが人気。予約は、2名から36名まで受付け、完全個室となっている。

 藤田さんは、「一見、固そうな店に見られがちだが、アットホームな雰囲気で居酒屋感覚で来てもらいたい。料理は常に進化しているという気持ちで、新しい物を追うためにも勉強し、知識を広げようと意識している」と話す。

 現在、小樽割烹調理師会支部長を務め、割烹業界のまとめ役となっている。料理に妥協を許さない割烹職人気質を見せながらも、笑顔の優しい、気さくな「華かぐら」のマスター。

華かぐら

小樽市花園3丁目2番9号
電話:0134-27-8596
FAX:0134-23-1955
営業時間:18:00~24:00
定休日:不定休

2012年5月のベストマスター
居酒屋ラーメン 斬

木村 圭一マスター

 旧手宮線にいい香りを漂わせている「ラーメン居酒屋斬」は、今年2月にオープンした。

 店長の木村圭一さん(38歳)は、札幌生まれの札幌育ち。現在は、小樽市星見町に住む。高校生の時から自分で店を持ちたいと思い、高校卒業後、父が経営する居酒屋で、自分のスペースを持ち、バーを開いていた。その後、ホテルへ就職し、宴会料理を担当したり、和・洋・中の調理人として働いた。

 洋食の先輩が山岡家へ転職し、何度か山岡家へ食べに行くうちに、山岡家のラーメンに惚れ、自分も山岡家へ転職した。店長として6~7年間働いた中で、ラーメン店のノウハウを学び、他にも3店舗を回り学んだ。4店舗のラーメン店の良い所取りのラーメンを作り上げ、3年前に小樽出抜小路で、念願のラーメン店を構えた。そして、今の店舗に移転し、現在に至る。

 店名の「斬」は、斬新の「斬」を取り、人と同じことが嫌いで変わったことをしようと名付けた。その変わったこととは、とても辛いラーメンや特大ラーメン「爆斬麺」で、通常サイズの3倍の量。これをクリアした人のみ挑戦できる「スーパー爆斬麺」もあるが、今はまだ挑戦者は出ていない。

 ラーメンの特徴は、とんこつベースに鶏、魚介、豚足を入れ、コラーゲンたっぷりのラーメン。女性のお客さんから、化粧のりが良くなったと言われ好評だ。どんぶりを十分に温めて、より熱々の状態で提供している。また、子どもから年配者まで、どんな要望にも応えようと、細部に渡り気遣いを怠らない。

 おススメは、塩ラーメン780円。ランチセットは、ラーメンとミニチャーシュー丼、ミニから揚げ丼、マヨチャーシュー丼などを組み合わせ850円と人気が高い。夜は居酒屋をメインに、ラーメンも提供する。

 おススメは、手羽先揚げ3本で400円。特製タレに漬け込み、粉をつけて揚げ、表面はサクサク、中はジューシーで美味しい。

 木村店長は、「出抜小路では、観光客がメインだったが、ここでは、観光客だけじゃなく、地元の方々と語り合いながら、小樽の活性化に一役買いたい」と話す。

 「自分の夢が実現したが、でもここからがスタート」と言う、妥協をしない居酒屋ラーメン斬のマスター。

居酒屋ラーメン 斬

住所:小樽市色内1-14-10
電話:070-5065-7435
営業時間:11:00~14:00、17:00~21:30(LO)
定休日:日曜日

2012年4月のベストマスター
鶏屋 鳳(OTORI)

八木 裕史(ひろふみ)マスター

 身長181cm・体重102kgの巨漢のマスターが扇ぐうちわから、香ばしい焼き鳥の香りが店内に広がる。市内色内1丁目にある「鶏屋 鳳(OTORI)」のマスター(38)。

 釧路生まれ。父親の転勤で10才からの小樽生活。小樽水産高校を中退した10~20代は、いろいろなとんでもない仕事を経験した。札幌でゴミ収集車の助手から始め、お金をもらってはパチンコ屋に通うその日暮らし。その後、鳶職を6年間、23才まで。堺町で観光客にカニを売ったり、花園でフードバーを8年間。「僕は働くことが好きなので、仕事をしていない月はなかった」と言う。

 「これまで飲食店をやりたくて、ずっと独学で勉強してきた」と言うマスターの出す鶏料理は、一品一品が吟味工夫されていて、フランス・イタリア料理と見間違う一皿も多い。ゆったりした空間が確保された店は、コラーゲンたっぷりの白濁スープの水炊き(コラーゲン鍋・1人前1,480円)が名物。

 「ここは、嫁さんの実家で、ここの2階に住んでいた。もともと車庫だったところで、金をかけて改造し、店をオープンして3年目になる」

 頭をバンダナで包み、精悍な顔のマスターの左耳には、ピアスの穴が5つも開いて、ピアスが光っている。「ピアスは10年以上前に開けた。38のこの歳で開けたら、問題があるじゃない」。一見こわもて風だが、笑顔がはじけると、人懐っこい優しさが溢れてくる。

 前妻に1人、今の妻に2人の子供3人の父親。「3人とも女なので、また女だったら、野郎(男の子)が出来るまで頑張ります」と高らかに宣言する。

 「趣味のバイクは、20何年やっているが、昨年からはゴルフにはまった。今年はバイクの車検を取るか悩んでいる。昨年始めたばかりのゴルフは、休みに30回も行った。今年は待ちきれず、茨城まで行ったが、まだ100を切れない。身体がでかいので当たると飛んでいくのだが、皆から言われるとリキが入って駄目になる。100を切るのが今年の目標!」

 「仕事着を脱ぐと、奇抜な自己表現力が好きで、常に派手なアロハを着ているので、お客さんに会って挨拶しても、誰も気付いてくれず、ぜんぜん違う人だと言われる」と、変身を楽しんでいる。

 カウンター11席、小上がり25席の小樽バインの横路を入った店は、10才年下の奥さんと二人三脚で美味しい鶏料理を提供する。男盛りの38才のマスター。

鶏屋 鳳(OTORI)

小樽市色内1-9-11
電話:0134-32-2229
営業時間:
11:00~14:00
17:00~23:30
定休日:月曜日

2012年3月のベストマスター
船見坂 ひろ田

廣田 英夫マスター

 小樽レンガ横丁(稲穂1)の入り口ひとつ奥にある小さな日本料理店「船見坂 ひろ田」を営む、廣田英夫(62)マスター。

 岐阜県岐阜市に生まれ、高校までを過ごした。北海道大学医学部を卒業し、東京都衛生局に勤務し、同期入局の医師だった妻と結婚し、1児をもうける。

 昭和63年に単身で北海道知床ウトロ診療所に2ヶ月勤務し、大成(なたな)町立病院外科にも勤務した。平成3年4月から小樽市保健所に勤務。自分の仕事はやり尽くしたし、管理的な仕事を期待されても向いていないと、12年目にして保健所を退職。

 21世紀に、自分のすべきことはなんだろうと考え始めた。息子が東京の調理師学校へ行くことになり、廣田さんも1日体験入学をしてみた。以前から料理に興味があり、作ることが好きだったので、一から勉強してみようと、東京の辻調理師専門学校で日本料理を1年間学び、さらに翌年、大阪あべのの調理技術研究所で学んだ。

 平成17年4月に小樽へ戻り、店名でもある船見坂近くに店舗用の土地建物を確保していたが、まずは腕試しと、知人の紹介でレンガ横丁の現在の店を6月に開業。しかし、その月末に火災に遭い、4週間後に再スタートするという大変な思いもしたが、今年7年目を迎える。

 「なぜ店名に“船見坂”が付いているのか?と、お客さんによく聞かれるが、いずれは同じ料理人である息子と、船見坂に準備した場所で仕事が出来ればという夢があり、その時に店名を変えるより、今、店名に付けていたほうが良い」と話してくれた。

 廣田さんは、「ランチを始めるようになり、自分がやろう思うことに近づいた。中高年の人たちに、良質な食事を提供すること、健康のために普段より心がけることが重要だと考えられるような食事を提供したい。そういう仕事が出来ればと思う。小樽の良さが分ってもらえるような、ホッと出来る店にしたい。北海道産の食材を旬の季節のみ提供するようにしている」と話す。

 ランチメニューを季節ごとに替え、今の季節は、鯖の味噌煮・カキフライ・わかさぎの天ぷら・・白菜サラダ・小松菜とじゃこのお浸しなど、総菜8品の中から3品を選び、ご飯、味噌汁、漬物が付いて850円とリーズナブル。

 夜は、一品料理や刺身、アナゴの柳川鍋、鶏ごぼう土鍋ごはんの他、予約をすると船見坂御膳2,000円や季節の懐石料理3,500円に、修業の腕を揮ってくれる。店内は、カウンターのみ6席で、どこに座ってもマスターがテキパキ調理をする姿が見える。こじんまりとした店内で、小樽の旬の食材をもっと美味しくしようと、日々研鑽に励む「船見坂
ひろ田」のマスター。

船見坂 ひろ田

小樽市稲穂1-4-15 レンガ横丁
TEL:090-8428-0741(携帯)
営業時間:
昼 火曜日~土曜日11:30~14:00
夜 月曜日~土曜日17:30から22:00(L.O21:30)
定休日:日曜日・祝日

2012年2月のベストマスター
麺処 龍仁

米山 徹マスター

 龍宮神社の隣りの石造りの建物に、1月9日(月)にオープンした「麺処 龍仁」の店長。

 龍宮神社の本間公祐宮司に依頼され、株式会社美食房がプロデュースし、店を任されている。テキパキとして行動力のある店長・米山徹さん(38歳)は、札幌生まれで大学まで札幌で過ごす。大手飲食チェーン店に就職し、店長職・エリアマネージャーを経験し、飲食店のノウハウは知り尽くしている。昨年10月に設立した株式会社美食房に入社し、龍仁の店長を任される。8年前に結婚し、趣味は夏山登山。

 地域に根差したラーメン店を目指し、本間宮司から借りた小樽の懐かしい写真を店内に飾り、「地域のお年寄りが昔を思い出してくれれば」と話す。

 “龍仁”という店名は、龍宮神社の“龍”と、ラーメンの“達人”という意味を込めて「龍仁(たつじん)」と名づけた。

 地域住民への挨拶とプレオープンを兼ね、1月1日・2日・3日の初詣、7日のどんど焼きに開店し、好評を得た。

 ラーメンの注文方法は、ちぢれ麺・ストレート麺・平打ち麺・一番細ちぢれ麺・ヘルシー麺の中から、まず主役となる麺を選ぶ。次にスープを、これも特選味噌・和節味噌・屋台醤油・おふくろ醤油・だし塩の5種類から選び、トッピングも定番トッピング・おすすめトッピングの2種類から選び、注文完了となる。

 初めはどう注文して良いか迷っている人のために、当店イチオシ組み合わせがあり、その中から選んでも良い。来客者の半数が注文するイチオシ組み合わせは「味噌」で、ちぢれ麺と特選噌味、チャーシュー・のり・茎ワカメ・メンマ・もやし・ネギ・タマネギの定番トッピングのセット。すべて1杯700円。

 麺にはこだわり、今後の要望に応え研究し、常に美味しいものを提供するように心がける。看板メニューをひとつ作りたいと出来たのが、80gと少なめのご飯の上に、道産もち豚を使用した300gもあるカツをのせた「ソースカツ丼」1,000円。チャーハン650円、プチ餃子(10個)350円もある。

 ラーメンスープを使用した鍋や焼き鳥、お酒を飲みながら締めにラーメンを食べられるようにと、16:00からの夜の部は、隠れ家的な居酒屋兼ラーメン店とした。小上がりもあり、宴会としても利用出来る。

 米山店長は、「お客さんに『美味しいね』と笑顔て言われることがうれしい。また、自己裁量でいろいろなことが出来る。高校生から60歳代の店で働く人を教育したり、メニューを考えたり、クリエイティブな仕事が出来るところにやりがいを感じる。ブームに追われることなく、息の長い地域に愛されるお店でありたい」と話す。「麺処 龍仁」の米山店長は熱かった!!

麺処 龍仁

小樽市稲穂4-11-2 龍宮神社境内
TEL:0134-21-2480
営業時間:ラーメンのみ11:00~14:00
居酒屋とラーメン16:00~22:30(LO22:00)
定休日:水曜日

2012年1月のベストマスター
オステリア il Piatto Nuovo

三輪 信平マスター

 多くの寿司店が軒を並べる小樽寿司屋通りを下った、妙見川沿いにあるイタリア料理店「ぴあっと」のオーナーシェフ。

 高校卒業後に横須賀の海上自衛隊に入り、船の上で、世界16カ国を周りながら、4年間料理の腕を磨いた経歴の持ち主。後に陸に上がって、札幌グランドホテルで8年間の修業。その後、堺町にあった北一硝子経営の「マルコポーロ」に入り、料理長に。同店が閉店したため、独立することにして、妙見川沿いの東雲町2に、オステリア「il
Piatto Nuovo」を開店して、すでに1年半が過ぎた。

 三輪マスターの腕と味を知っている客で、連日賑わいを見せている。イケメンマスターが腕を振るうとあって、女性客からの人気が高い。

 50歳の脂が乗った男盛りのマスターは、全日本司厨士協会・北海道地方本部小樽支部の支部長を務めており、小樽・後志の料理人を束ねるリーダー格的存在でもある。毎年、後志の食のフェスタを開催し、地産地消に取り組み、小樽・後志の料理人の腕の冴えを示している。

 最近では、店をアルバイトで手伝ってくれる長女に注ぐ目線の柔らかさでは、時折、父親の顔を見せる。3人の子供に囲まれれた家族の支えが、マスターの日々の営みを支えている。敬虔なクリスチャンでもある。

 「クリスチャンが、クリスマスに店を開けて商売しているなんていけないな」と呟きながら、日々フライパンを振るう、2012年に大きな期待がかかる小樽のマスター。

オステリア il Piatto Nuovo

小樽市東雲町2-3
TEL:0134-64-1697
営業時間:
lunch 11:00~15:00(LO14:30)
dinner 17:00~22:00(LO21:00)
定休日:月曜日 ※平成24年4月より水曜日定休