2020年 ベストマスター

2020年4月のベストマスター
Otaru Canal Accessory Shop“COAS”

志田 有央マスター

アクセサリー作家の志田有央さん(43)は、千葉県生まれの京都府育ちで、広島県市立大学芸術学部で彫刻を専攻。さらにデザインの知識を深めながら、アクセサリー制作の手伝いをしていたのが、この道に入るきっかけとなった。

30歳代の頃、小樽出身の女性と一緒にこの地に移住。地元と思えるほど居心地の良い小樽に“COAS”を立ち上げ、自宅兼工房で制作に励んでいる。

初めての活動の場所が小樽運河だったこともあり、名称は、Canal(運河)・Otaru(小樽)・Accessory(アクセサリー)・Shop(ショップ)の頭文字を並べた造語。

主に真鍮(銅と亜鉛の合金)を使用し、小樽のクラシックな建物を想起させるようなデザインを施し、アンティークやビンテージな雰囲気を大切に作品を制作している。真鍮は長く愛用することで、独特の味わいが出るなど変化が楽しめる。

展示会のため小樽を離れた時には、自分の作品に小樽の町の風情が表現されているのがより鮮明に感じられるという。

初めての販売場所に小樽運河の路上を選び、そして人生初の路上販売を経験。地べたに座るか座らないかが作家人生の分かれ目となり、今後の覚悟に繋がったと振り返る。

流行は追わず長期的にみて、人の心に残るものを作ることに心を砕き、昨年末の展示会では、陶芸と真鍮のコラボレーションを実現させた。小樽に工房を構えるキムラヤの木村泰明氏と共同で、陶器と真鍮を融合させ、お客さんの評判も良かった。

現在はショップを持たず、小樽の新しい取扱先の「UNGA↑」をはじめ、札幌・釧路などで委託販売、札幌や東京での展示会に出店しているが、今後、COASをアクセサリーブランドにして、小樽に本店を構えるという夢がある。

ニトリが主催する旧三井銀行小樽支店会場で行われたあったマルシェにも参加。「今後このようなイベントが多く開催されるよう、一端を担えればと思う」と、小樽を盛り上げたい意欲を示した。

取扱い店:小樽百科「UNGA↑」(色内2-1-20)

Otaru Canal Accessory Shop“COAS”

電話:070-5611-8983
mail:lakeseason@yahoo.co.jp
URL:https://www.facebook.com/otaruCOAS

2020年3月のベストマスター
MIITE OTARU (ミーテ オタル)

野月 遼太郎マスター

 小樽花園の古民家を改装したお洒落なカフェが、2019(令和元年)10月にオープン。オーナーの野月遼太郎さん(33)は札幌出身で、大学を卒業後、東京でインテリアデザインの仕事に就き、26歳の時、フリーランスでマンションのリノベーションや家具のデザインを手掛ける。6年程前から札幌を拠点に活動。

 約3年前、札幌でピッツァ職人と共に「MIITE CAFE(ミーテ カフェ)」を開店。昨年4月に友人と合同会社カフェと暮らし北海道を立ち上げ、代表社員に。

 古い建物が好きで、小樽はポテンシャルが高く観光の魅力もあり、それを活かして面白いことをしようと、札幌に続き、2号店目のカフェ「MIITE OTARU」を開いた。

 店名は、今は亡き2人だが、祖母が幼い頃の母を「ミー」と呼び、母の手のような優しい店にしたいと考えた造語。

 インテリアデザインの経験を活かして、築100年の古民家をリノベーション。廃材を使ってシンプルさを大切に、カウンターや床も壁も手作りで、自宅の観葉植物を持ち込み、楽しく集まれる空間がコンセプト。いずれは2階をオープンスペースにしたいそうだ。

 店は野月さん1人で切り盛りし、手捏ね生地の本格派ピッツァは、500度以上に熱する石窯で焼きたてを提供。サイドメニューも豊富。

 深夜0:00に満席になることもしばしば。チャージなしの低価格で楽しめる店だ。

 おススメは、ルッコラとイタリア産生ハムのピッツァ。5種のチーズと有機はちみつの甘いピッツァも人気。

 4名から15名ほどの貸切が可能で、空間貸もOK!「お独りでも、複数でも、気軽にいらしてください」とPR。

 友だちも知り合いもいない小樽で開業したが、小樽の人の温かい協力もあり、常連客も増え、みんなに助けられていると実感する。音楽イベントも開催し盛況だった。

 今後は、若者の起業支援をしたり、やりたいことのある人を応援したい。

MIITE OTARU (ミーテ オタル)

小樽市花園3-2-2
営業時間:日曜日18:30~3:00 月・木・金・土曜日18:00~3:00
定休日:火・水・第3木曜日
電話:090-2871-5585

2020年2月のベストマスター
小樽焼肉熱闘ホルモン甲子園

渡辺 修マスター

 面白くてインパクトのある店名からの想像の通り、野球好きのマスター渡辺修さん(41)が営む、小樽焼肉熱闘ホルモン甲子園は楽しく食事ができる店。

 小樽出身の渡辺さんは、7つの上の兄の影響や飲食店や精肉店などの職歴を生かし、いつか商売をしたい夢を叶え、2014年(平成26)年12月、花園に念願の店をオープン。

 野球好きで小中学校は野球部で活躍。進学した高校に野球部がなかったため、サッカーを30歳まで続けた。その後は社会人野球チームを作り、現在は監督として、仕事もプライベートも充実した毎日だ。

 精肉店に勤めていたため肉のノウハウを学び、その経験を生かし納得できる美味しい肉を食べてもらおうと、焼肉をメインに。配達で市内の焼肉屋とも知り合いになり、情報交換を行う繋がりも出来た。店を開店させる時には、戸惑いもあったが、先輩方が温かく迎えてくれた。

 子どもの頃から料理好きだったマスターが作る“幻の牛タンカレー”がオススメだと言う。不定期なメニューだが、牛タンを下処理し2日間かけてじっくり煮込んだ、誰からも「旨い!」と言ってもらいたいと腕を揮った1品だ。

 この他にも、“辛い審判”と名付けた辛いスープや、余市北島農場の麦豚ベーコンなど、お客さんが喜んでくれるようなものを探して提供している。

 カウンターが広い店なので、お客さんとのコミュニケーションも自然に、“ありがとう”と言ってもらえるよう、楽しく美味しく食事をしてもらいたいと心掛ける。

 開店当時から続けているフェイスブックは、毎日更新しているという。店に来られなかった人ともコミュニケーションできるよう、今日あったことやさり気ない話題を書き込んでいる。

 1991(平成3)年夏に甲子園初出場を決めた北照高校野球部メンバー数人が、SNSで店を見つけ、来店してくれたことが嬉しくて忘れない思い出に。
 
 2018(平成30)年の第100回という記念すべき全国高校野球選手権大会に、甲子園初観戦で、北照高校を応援。
 
 高校野球シーズンになると、野球好きの虫が疼いて落ち着かないそうだ。店内へ通じる階段には、後志の高校野球チームのユニホームが張られ、店内には、野球に関するポスターやペナントなどが賑やかに展示されている。
 
 「開店して5年が過ぎ、あっと言う間だった。10年、20年後も、あっという間の10年だ、20年だと思えたら幸せだなぁ」と振り返る。
 
 小上がりもあり、宴会も予約で4名以上23名まで対応。90分飲み放題付きで3,500円。予算やメニューは電話相談可。
 
 渡辺マスターは、「1度来てみてください」とPRした。

小樽焼肉熱闘ホルモン甲子園

小樽市花園1-12-3
営業時間:17:00~24:00
定休日:日曜日
電話:0134-22-2969

お店のHP
2020年1月のベストマスター
イラストレイター

ホリイヒトシマスター

 小樽在住のイラストレーター・ホリイヒトシさん(45)は、悪天候以外、小樽運河の中央橋手前の路上で、オリジナルポストカードや絵画などを販売している。

 富山県出身で、子どもの頃から漫画好き。北海道にあこがれ、12、3年ほど前に小樽を訪れてから、絵を本格的に描き、小樽運河によって才能が開花した。風景の中に動物や人々を描き、ホリイさん独自の世界が広がり、数えきれないほどの作品を生み出した。

 ポスターカラーマーカーで直接描いていく描き方で、なんとも言えない温かい雰囲気が漂う作品ばかり。原画をもとに、ポストカードやバースディカード、可愛いバンビやクマなどの動物が描かれたクリスマスカード、B5サイズの絵画や一筆箋等を作品として販売。

 運河以外にも、歴史的建造物や店舗、天狗山や青の池、札幌時計台を描いた作品もある。

 チラシの注文も受け、ブックアートウィークのチラシも3回ほど手がけた。市内のライブイベントなどのチラシもセンスが良いとの評判だ。

 最近では、小樽中央市場(稲穂3)のガンガンギャラリーで、小樽山小屋(稲穂5)の山岡さんと合同販売も行い、楽しかったという。日頃から好みの小説を読むなどして過ごしているが、今後時間が出来たら、他の人の絵を鑑賞したり、絵を描く以外にも挑戦しようと思っている。

 「自身が思う絵描きのイメージで、露店で絵を販売したかった夢があり、小樽運河からスタートした。やり始めるとすごく楽しくて、運河で見たものとイメージしたものを合わせて、絵を仕上げている」と話す。

 「肩の力を抜くこと。肩に力が入っていると、失敗も多くなり、リラックスすることで良い作品も生まれ、気分も良くなり、心配があっても笑えるのでは」と語る。これからも、絵を描きながら生活を続けたいそうだ。
 

イラストレイター

小樽市色内1 小樽運河中央橋手前付近
営業時間:冬10:00~、夏8:00~ガス灯が灯る頃・雨や悪天候中止
委託販売:たるしぇ(JR小樽駅内)
     雑貨店vivre sa vie +mi-yyu(手宮2)
     小樽山小屋(稲穂5)