多田 哲也マスター
花園商店街入り口のガード下にある、炉ばた屋鶴吉の店長・多田哲也さん(32)は小樽出身で、バンダナ代わりの黒タオルが似合う男前。
同店は、株式会社システムベアーグループ6店舗のうちのひとつで、多田さんは入社11年目。昨年2月の異動後、店長を務めている。
多田さんの仕事は、カウンター前にある畳一枚ほどの大きな炉ばたで、新鮮な魚介類から肉・野菜の焼き物に腕を振るう。四方八方に気を配りながら、仕事の合間を見ては、カウンターに座ったお客さんと会話を楽しんでいる。
店長おすすめは“きんき”。大ぶりで脂が乗り、焼き加減も程良く格安で提供。八角の姿造りは観光客に人気。
好き嫌いがなく何でも食べられるため、「お客様に対して、旬の美味しいものを提供し、満足してもらえるよう努めている」という多田さんは、“いずれは店を持ちたい”という夢を持ち、子どもの頃からラーメン好きなこともあり、できればラーメン屋を開きたいと話す。
また、小樽は若者が集う場所がないため、リーズナブルな鶴吉で一次会を開き、腹ごしらえした後、花園界隈へ繰り出すというコースで、花園を活気づけたいと語る。
そんな多田さんの休日は、子煩悩な3児のパパとして、子ども達との時間を大切にしている。サッカーやフットサルのチームにも積極的に参加して体を動かし、充実した時間を過ごしている。
「12月は忘年会シーズン。飲み放題付きで3,500円から、4名から貸切50名まで対応。寒い季節に美味しい、海鮮ともつから選べる鍋コースがあり、また鍋じゃないコースもあり、お客さんのニーズに応えているので、ぜひ鶴吉で楽しんでもらいたい。まだまだ予約できます」とPRした。
「自分は人見知りなんですよ」と言うが、店先で道に迷った人を見かけると親切に対応し、取材後も「気をつけて」と、優しい言葉をかけてくれた。



店内で焼きたてを食べてもらいたいため、テイクアウトはしていない。ピッツアをメイン料理とし、店独特のスタイルや哲学を大切にし、本場イタリア人が食べても美味しい日本のピッツアを作るよう心がけている。
売上も多かったけど、人も多かったから、銀行はお金貸すし、イケイケドンドンでやったんだけど、これ~ヤバいなーと思っている時に、あるお客さんが、M&Aの話を持って来てくれて、でもやだなと思っていたんですけど、これも不思議なもので、うちの会社のバランスシートを、銀行にいる親代わりの義兄が一応、監査役をしてたので、見てもらったら『これはだめだ、危ない』ということで、自分の銀行とは別に、『後輩で力のあるやつが、札幌支店長で来ているからそれに相談しろ』ということになって。その銀行が仲に入って、M&Aで飲食店をやりたいというオーナーに話が繋がっちゃったんですよ。減少増収などをして都合3年ほどやって、朝里のここだけにしたんです。スタッフもみんな譲渡し、合併した時の銀行の借入は一切合切処理してくれて、今現在は何もなし」。
小樽の中でも雪深い朝里は、不便ではないかと尋ねると、「全然都会。スイスなんて本当山の中だもん。ここは最高ですよ。もっと奥に行きたいくらい」と笑顔で答えた。
